ウォータージェットカッターは、驚異的な切断能力を持つ革新的な技術ですが、全ての素材に対して適しているわけではありません。本記事では、ウォータージェットカッターがきれないものや、精度が発揮できないものについて解説します。また、当メディアが注目している、ウォータージェットカッターを取り扱っているおすすめの会社もご紹介。記事を通じて、ウォータージェットカッターの適切な利用法について理解を深めていただければ幸いです。ウォータージェットカッターとは引用元:photoACウォータージェットカッターは、高圧水流を利用して材料を切断する切断装置です。この装置は、超高圧ポンプによって水に圧力をかけ、微細なノズルから高速で噴射します。ウォータージェットカッターは、従来の切断方法と比べて環境に優しいとされており、加工時に熱や粉塵を発生させないため、衛生的で環境負荷が低い切断が可能です。また、ウォータージェットカッターは、切断材料に応じて水流の圧力や加工速度を調整できる柔軟性があります。ウォータージェットカッターが切れないもの引用元:photoACウォータージェットカッターの加工技術において、基本的に切断できないものはほとんどありません。ただし、各機械が持つワークサイズや、3D・5軸などの特性を活かして、素材や大きさなどに最適な条件を設定することが重要です。ほとんどの材料が切断可能である一方で、特定の素材に対して苦手な場合もあります。以下でウォータージェットカッターで精度が発揮できないものについて解説します。ウォータージェットカッターで精度が発揮できないもの引用元:photoACウォータージェットカッターで精度が発揮できないものは、以下のとおりです。水に溶ける材料強化ガラスや薄いガラス日本刀水に溶ける材料ウォータージェットカッターは、驚異的な切断能力を持つ革新的な技術ですが、ある種の材料に対しては十分な精度を発揮できないことがあります。その中でも、水溶性プラスチックなどの水で溶けてしまう材料はウォータージェット加工に適していません。さらに、水圧によってよれたり形状が変わってしまう糸や布類もウォータージェット加工に適していません。(ただし、廃棄用など精度が不要なものは可能です)。これらの材料は、加工中に水との反応によって崩れる可能性があるため、ウォータージェットカッターでは適切な加工が難しいです。加工対象の材料によっては、他の切断方法を検討する必要があります。強化ガラスや薄いガラスウォータージェット加工は熱や圧力に弱いガラスの切断を得意としますが、一方で特定の種類のガラスに対しては適していないことがあります。例えば、薄板ガラスには推奨できません。ウォータージェット加工中に加工台や振動などの衝撃を受けると、薄いガラスは破損してしまう可能性があります。また、強化ガラスも安定した精度を出すのが難しい素材です。ウォータージェット加工によって受ける衝撃が全体に広がり、加工精度を保つことが困難なためです。そのため、強化ガラスの加工には他の方法を検討することが必要です。日本刀日本刀をウォーターカッターで刃先から切断しようとしたところ、噴射された水を受け止める面積がなく水流や水圧が左右に分散してしまい、切断ができなかったという事例がありました。日本刀は、刃先が非常に薄く鋭いため、ウォータージェットカッターの精度では扱いにくいことがあります。同じような形状の包丁はウォータージェットで刃先から切断されており、日本刀がどれほど鋭いかが伺えます。ウォータージェットカッターに特におすすめな素材引用元:photoACウォータージェットカッターに特におすすめな素材は、以下のとおりです。チタン・ニッケルアルミ銅・真鍮チタン・ニッケルウォータージェットカッターは、チタンやニッケルなどの素材に適しています。これらの素材に対して、切断や穴あけが容易に行えるため、高精度な加工が可能です。また、材料取りにおいてもムダが少ない特徴があります。ただし、中繰りについては効率が良いとは言えませんが、一般的な加工においては適切な選択肢となります。アルミアルミは、切断や穴あけにおいて高い性能を発揮します。ウォータージェットカッターは、加熱や変形の心配がなく、アルミニウムを綺麗に切断可能です。また、表面に穴を開ける際も、ドリル加工よりもはるかに高速で、素材を傷つけることがありません。しかし、薄板のような材料に対しては、中繰り(内部からの穴開け)があまり適していない場合があります。薄板は重ね加工が効果的であり、そうすることで生産性の向上につながるでしょう。銅・真鍮ウォータージェットカッターは、銅や真鍮などの素材にも適しています。これらの素材は、切断や穴あけにおいて高い性能を発揮します。ウォータージェットカッターを使用することで、素材に熱歪みを発生させる心配がありません。切削や穴あけによる熱による変形を避けることができ、加工面を綺麗に保つことができます。ただし、中繰り(内部からの穴開け)に関しては、ウォータージェットカッターの能力にやや限界があります。ウォータージェットカッターを取り扱っているおすすめ2社引用元:日進機工株式会社公式HPウォータージェットカッターの優れた性能が分かっていただけたでしょう。ここからは、ウォータージェットカッターを取り扱っているおすすめの会社を紹介します。1.日進機工株式会社引用元:日進機工株式会社公式HP会社名日進機工株式会社本社所在地〒463-0808愛知県名古屋市守山区花咲台2-401電話番号052-739-2671設立1965年2月公式サイトURLhttps://nissinkiko.com/日進機工株式会社は、産業メンテナンスにおける総合力と高度な技術を持ち、ウォータージェットの開発に注力しています。ウォータージェットのパイオニアとして、常に最新の製品と技術を提供し続け、設備の開発からメンテナンスまでワンストップ体制で行います。自社開発のウォータージェット装置の販売や、車両展示装置など幅広い機器の開発も行っている会社です。お客様のニーズに合わせてトータルプロデュースが可能なので、ぜひ一度、日進機工に問い合わせてみてください。2.株式会社北川鉄工所引用元:株式会社北川鉄工所公式HP会社名株式会社北川鉄工所本社所在地〒726-0003広島県府中市元町77-1電話番号0847-45-4560設立1941年11月公式サイトURLhttps://www.kiw.co.jp/index.html株式会社北川鉄工所は、1918年に創業し、日本や世界のものづくりを支える独自の技術力を誇っています。金属素形材事業では、さまざまな鋳造製法で素材開発や機械加工に取り組み、工作機器事業では、パワーチャックなどの工作機器で圧倒的なシェアを占める会社です。ウォーターカッターにおいても、北川鉄工所は超高圧の水で切断する加工を提供し、研磨材の混入によって切削効力を高めています。製品ラインナップには、バリューモデルや5軸制御ウォーターカッターなどがあり、数値制御による高精度加工を実現しています。最後に引用元:photoACウォータージェットカッターは、素材の種類や特性によっては効果が発揮されない場合もありますが、適切な利用法を理解し、最適な素材や加工条件を選択すれば、驚異的な切断能力を活かすことができます。本記事を通じて、ウォータージェットカッターの特性や適用範囲について理解を深め、ウォータージェットカッターの可能性を最大限に活かしてください。